NHKきょうの料理
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乳酸菌ニュース


ブルガリアでは、ヨーグルトは“弱い薬”の一種としてとらえられている

「乳酸菌ニュース」(平成14年10月15日発行)より




病院でもヨーグルトの摂取が勧められている
 
[ヨーグルトというとブルガリアが本場というイメージですが、どのような食べ方をされているのですか?]
世界中でのヨーグルトの食べ方は、大きく分けると3つあります。ひとつは市販のヨーグルトを買ってきてそのまま生で食べる食べ方。もうひとつは、市販のヨーグルトを自分の家やレストラン等で料理などに使ったりして食べる食べ方。3つめは、自分の家で牛乳からヨーグルトを作って食べる食べ方です。
私自身としては、ヨーグルトは健康食品として生で食べるべきだと思います。これは日本での食べ方に近いですね。1908年にノーベル医学生理学賞を受賞したメチニコフ博士は、乳酸菌は身体に生きた状態で入らなければ働かないと言っていますが、私もそうだと思います。確かに、ブルガリアではヨーグルトを料理にもよく使います。火にかけると美味しくなりますが菌は死んでしまいます。食材としてヨーグルトを使うのはいいのですが、これは健康食品とはいえないと思います。
 
[健康食品としてのとらえ方は、日本もブルガリアもおなじですか? ]
  ブルガリア人はヨーグルトを“いちばん弱い薬”だととらえています。どの病院に行っても、たいていは1日3回、1回につき250ccのヨーグルトをそのまま生で食べるように言われます。ヨーグルトには免疫力を高める力はあること、天然のアンチバイオティック(抗菌物質)であることを、誰もが知っています。
ブルガリア人は、年をとって歯や消化機能が悪くなってくるとヨーグルトばかり食べます。ヨーグルトはミルクから作られますが、ミルクは人間が誕生して最初に口にする、最も大切な食べ物です。それを発酵させたものですから、ヨーグルトには非常に素晴らしい力があると考えられています。
   
羊のミルクから作ったヨーグルトも人気
[やはりヨーグルトの種類は多いのですか? ]
  牛乳から作られたものだけでなく、水牛や羊、ヤギのミルクから作られたものもあります。もちろん一番食べられているのは牛乳から作られたもので、次が羊のミルクから作られたものです。2種類をミックスしたものもあります。どれも使われている乳酸菌は同じですが、味はそれぞれ違います。それは脂肪やたんぱく質の質や量が違うからでしょうね。羊のミルクから作られたものはとても濃厚で、エネルギーも香りもいっぱいです。ブルガリア人は非常にこれが好きですね。
日本の場合は牛乳が原料のものだけですから、いろいろな種類のヨーグルトのアンテナショップを作れば面白いかもしれません。
   
ブルガリア流ヨーグルトサラダとは
 
[ブルガリアでは、どれくらいの量のヨーグルトがたべられているのでしょうか? ]
  年間1人あたりのヨーグルト消費量は、ブルガリアでは平均50kg。おそらく2番目がオランダだろうと思いますが、その半分の25kg程度です。日本はわずか7kgですね。一説よると1日500cc食べれば身体に良い影響を与えるといいますが、500ccはすごい量です。1年間にすると150kg以上になってしまいます。
これだけ食べるのはなかなか困難ですが、ヨーグルトを単独で食べるのでなければ可能かもしれません。野菜や果物と混ぜたり、サラダに使ったりするのもいいのではないでしょうか。1日500ccは難しくても、300ccなら簡単に摂れます。
例えば果物とヨーグルトをミクサーにかけてヨーグルトセーキを作るのもいいと思います。バナナヨーグルトセーキなどは、バナナの甘さとヨーグルトの酸っぱさがうまくミックスしてとても美味しくなります。砂糖を入れなくても天然の甘さで食べられる点がいいですね。他にも桃ともとてもよく合います。
 
[サラダに使うというと…?]
  ブルガリアの場合、よくヨーグルトとキュウリを使ったサラダを作ります。「ドライタラトール」という料理があるのですが、これは非常に食べやすい料理です。水分を切ったヨーグルトにキュウリ、ニンニク、クルミなどを入れ、塩やオリーブオイルも少し加えます。パンやパイに載せて食べると、とても美味しいですよ。さらにトマトを加えてもいいかもしれませんが、トマトは水分が多いので、少し水分をきったほうがいいでしょうね。味は間違いなくいいはずです。
  他にも、ヨーグルトを使った生ソースもよく食べられます。これはいろいろな料理、特にズッキーニやナスの料理に合います。基本的に「ドライタラトール」に似ており、必ずニンニクを入れます。ニンニクを入れるとお腹に非常にいいものになりますね。両方とも天然の薬とも言えるものですから。
 
[じつに様々な使われ方をしているのですね。 ]
  ブルガリア人にとってのヨーグルトは、日本人にとっての豆腐と同じようなものでしょうね。そのまま食べることもあるし、いろいろな料理の材料にも使われる。他にもパンやパイに入れたり、スープや卵焼きを作るときにも使われたりします。おそらく、そのまま食べるものと料理に使われるものの比率は半々くらいだと思います。また、ブルガリアでは多くの家庭で自家製ヨーグルトを使っています。日本のメーカーは、ヨーグルトの食べ方、作り方をもっと消費者に啓蒙してもいいのではないでしょうか。
 
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